指導計画の立て方の知識

 

 

指導計画の立て方の前に、なぜ、計画が必要なのでしょうか?計画を立てる理由は、目標が明確になる事と今やっていることが目標に対して正しいのかどうかの評価が出来ることです。評価が出来るということは変更も追加も削除も出来るということです。

 

 

■指導計画の重要性とは

 

 

指導計画が重要な点は、指導者と選手がお互いの考えを理解して目的を共有できる点です。しかし、ジュニア選手に対しては指導者と親とでスタートするケースもあります。選手が自分の意見が主張できる時期になれば、指導者と選手で計画の見直しなどが行われます。

 

 

指導計画は選手の情報が詳しければ詳しいほど綿密に立てていけます。これまでの競技成績、フィジカル能力、テクニック能力などはもちろんの事、性格や家庭環境、学校環境なども考慮に入れることが必要です。それにより競技生活の全体像ができ、目標が設定しやすくなるのです。

 

 

■指導計画立案の原則・準備・種類とは

 

 

具体的な計画立案の手順としては、まず、対象者の設定が必要です。誰をどんな目的で指導するのかから始めます。例えば、テニススクールの初心者対象計画では「ゲームが楽しく出来る」までが目標になります。プロボーラ―のプロテスト合格計画なら「男子4日間60ゲームでアベレージ200以上」が目標になります。

 

 

対象者が決まれば、指導計画の作成に入ります。目標に対しての期間を設定してそこからさらに分けていきます。テニス初心者なら半年から1年程度の計画で目標達成を目指しますが、プロボーラ―などは生涯計画、長期計画、年間計画、期間計画、月間計画、週間計画、日間メニューなどに分類することもあります。指導計画が出来れば実施され、その計画実施に対して検証変更が行われます。

 

 

■指導計画の変更・検証とは

 

 

指導計画はあくまでも計画なのですべてが上手くいきません。全体的な計画は変更しませんが、日々の現場ではメニューの変更や計画の遅れなどはよくあります。それを大きな問題としては捉えるのではなく、その計画の効果の検証で進化・発展させていければいいのです。

 

 

スポーツにおける指導計画立案として必要なのは、種目特性や指導対象のレベル、集団競技か個人競技かなどを理解することです。種目によっては練習場所や施設の確保が優先されたり、指導対象によっては指導者の人数や質が問われたり、集団競技ではプレーヤーからチームを作るのか、チームカラーに合わせたプレーヤーにするのかなど、計画立案する上での留意点があります。

 

 

スポーツ指導には参加者の特徴を捉えることも必要です。参加動機として健康のため、技術向上のため、仲間づくりのためなど様々です。また、運動経験の有無によっても指導に影響しますが、これらをすべて個別に計画することは難しいですが、計画はそのままで、現場でのアドバイスの内容や表現方法などを変えながら対応していきます。

 

 

■ピリオダイゼーションについて

 

 

最後にスポーツ指導計画において、資格試験でよく出題されるものとして「ピリオダイゼーション」があります。これは期分けと呼ばれますが、トップ選手など年間スケジュールの中で大切な大会に対してピークを持っていくために必要な手法です。大まかですが、鍛錬期・試合前期・試合期・移行期などに分けることで、目標が明確になり毎日のトレーニングも意味を持って取り組めます。さらに疲労回復期なども設定できるのでオーバートレーニングやオーバーユースを予防する効果もあります。

 

 

テニスでは年間4回のグランドスラム大会がありますが、すべてにピークを合わせることが難しいのは年間グランドスラムを達成した選手の数からも容易に理解できます。

 

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