スポーツ活動と安全管理の知識

 

 

指導者は常にスポーツには安全管理が必要であることを自覚しておかなければなりません。人間が行動を起こす時、何かしらの危険が伴います。

 

 

現代社会では交通事故などが最たるものとして考えられますが、スポーツという行動にも危険が存在しているのです。スポーツ指導者の義務として、その危険を回避する知識を持たなければならないのです。

 

 

■スポーツにおける安全確保とは

 

 

安全管理には時系列でみると@スポーツ活動募集時Aスポーツ指導前Bスポーツ指導中Cスポーツ指導後の4つがあります。

 

@スポーツ活動募集時
活動内容とレベルの告知することで参加者の判断を促すことができます。つまり初心者で上級クラスに参加するなどの無謀な選択を事前に回避できということです。また、指導者が募集した参加者の年齢・レベル・目標・モチベーションなどをみて、安全な指導計画を立案することができます。

 

Aスポーツ指導前
計画が安全に配慮されていても、予期せぬことも考えられます。練習会場への移動の注意喚起や救急箱などの用意、使用施設やトレーニング機器の点検、当日の天候によるメニューの安全性などチェックします。参加者のウォーミングアップ時での簡単なメディカルチェックは当然です。

 

Bスポーツ指導中
参加者の変化を見逃さない注意が必要です。特に、夏の熱中症対策は万全で行う必要があります。また、使用しているグランドやコートの表面が荒れてくると捻挫の危険性が高まるので、すぐに均して危険を回避します。危険回避が難しい時は指導を中止する判断と勇気も指導者には必要です。

 

Cスポーツ指導後
クールダウンで心身の緊張をほぐす習慣をつけてください。筋肉や関節に痛みがある場合などはアイシングやテーピング処置を行います。スポーツの後は緊張が緩んでいることもありますので、行きだけでなく帰りの移動にも注意喚起をすることです。

 

 

■安全確保の具体的行動とは

 

 

安全管理に関して指導者が現場で意識しなければならない行動は「立ち位置」です。体操競技などでは補助でコーチが横にいることもあります。常に選手が見渡せて、プレー中に危険な状況を予測しながら立ち位置を決めていきます。この目配り指導者として大切です。

 

 

また、人数の多いグループレッスンや同じグランドで競技種目が多い場合などは、行動の予測を立ててコーンなどで仕切りながら安全な場所へ誘導します。練習も安全を配慮したメニューを組むことが必要です。

 

 

■施設・用具の点検とは

 

 

施設や用具、備品などで危険なものが見つかれば施設側に対処してもらいます。ネットの破損やトレーニング機器の強度など、不安なところを確認して対処できない場合はメニュー変更や施設変更も考えます。

 

 

■スポーツドクターとの連携とは

 

 

スポーツ活動中におこるケガは整形外科にかかることが多く、ケガの状況によりますができれば現場から近い整形外科のある救急病院に連絡を取ります。状況の説明なども指導者が正確に伝えなければなりません。しかし、球技などでは眼のケガも考えられるので競技によっては眼科も調べておきます。

 

 

アスリートの指導者は普段からスポーツドクターとの連携を取らなければなりません。なぜなら、専門の競技特性を理解されているドクターでなければ、復帰までに時間がかかることがあるからです。その競技ごとのスポーツドクター情報を集めておくこともリスクマネジメントのひとつです。

 

 

しかし、残念ながらいくら注意を払っても完全に事故の発生をなくすことはできません。事故が避けられないものなら保険を活用して万が一に備えておかなければなりません。

 

 

■保険制度について

 

 

日本体育協会では「スポーツ指導者保険」やスポーツ安全協会が取り扱っている「スポーツ安全保険」もあり、個人競技のテニスなどでは、個人で「テニス保険」に加入しているケースも見受けられます。保険は全て内容が違いますので、指導現場の状況や希望の補償内容を確かめて加入して下さい。

 

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