コーチと指導者を考える

 

コーチと指導者の違いは何でしょうか?日本ではコーチと指導者は、ほぼ同じと考えられているところがありますが、陸上のオリンピック選手である為末大さんがTwitterで「先生や指導者は、人生を導いたり人間的成長を促す人、コーチは選手の目的を達成する人」とコメントしていました。

 

 

すごく的を得ている表現だと思います。つまり、コーチがスポーツの競技力を上げることを目指すのに対して、指導者はスポーツを通じた人格形成が仕事ということになります。もちろん、指導者が競技力を上げることをやっていないわけではありません。

 

 

ここでもう一度、為末さんの定義を見てみると、指導者とは日本特有のもので、部活顧問や先生をイメージしていて、コーチは海外におけるアスリートプロコーチを指していると受け取れます。

 

 

これを踏まえた上で、あなたはコーチですか?指導者ですか?と聞かれたら、現在は「指導者です」と答えます。なぜなら、学校という教育機関でも仕事をしているからです。しかし、テニススクールで仕事をしている時は「コーチです」と答えるにはためらう部分があります。

 

 

日本のテニスコーチの場合は、プライベートコーチは少なく、コーチと呼ばれるほとんどはテニススクールのコーチといえます。スクールにおいては、子どもたちを教えるときは先生の役割、選手を教える場合はコーチの役割、一般の人を教える場合にはサービス業的な側面が大きくなります。

 

 

つまり、日本のテニスコーチは担当クラスにより立場を変えていかなければならないからです。テニススクールにはほとんどジュニアプログラムがあります。このような環境の中ではテニスコーチも指導者の役割を持ちながら指導していくことが望まれるのです。

 

 

現在、スポーツが社会的に認められているのは人間形成に重要なファクターを持っているからです。(詳しくはスポーツと文化をご覧ください)さらに、テニスは年齢幅も大きなスポーツの一つであり、中高年の健康増進にも役立つという研究結果も出ています。

 

 

このサイト名を「テニス指導者.com」としたのは、これからジュニアのテニス指導にあたるすべての人に、コーチと指導者の両面を持ち合わせる必要性を感じているからです。

 


HOME はじめに お問い合わせ プロフィール