トレーニングの進め方の知識

 

 

スポーツ科学が発達した現在、トレーニング理論は多岐にわたっています。スポーツ指導者としてその原理、原則を理解して、これからも新しいトレーニング方法や理論が出てきても適切に判断できる能力を学びます。

 

 

■トレーニングの原理とは

 

 

トレーニング効果は、今持っている能力に負荷をかけることにより発揮します。これがオーバーロードの原理と言われています。すべてのトレーニングはこの原理に則って行われますが、その際に特異性、可逆性、適時性を考慮しなければ結果は出てきません。

 

 

特異性・・・目的に応じたトレーニングの種類、強度、量、頻度を調整する。
可逆性・・・トレーニング効果は休むともとに戻るのでトレーニング間隔を調整できる。
適時性・・・発育発達に合わせたトレーニングが有効に効率よく調整できる。

 

 

■トレーニングの原則とは

 

 

トレーニングには5つの原則があります。
@全面性の原則
トレーニングをする際は、全ての面でバランスよく鍛えることが大切です。 偏りのある体では、怪我や技術レベルの低下にも繋がってしまいます。
A意識性の原則
トレーニングを行う場合は、鍛えている部位や自らの意志で行っていることを意識(自覚)することでトレーニングの効果が向上します。
B漸進性の原則
一定期間トレーニングを続けると同じ負荷でそれ以上効果が現れなくなります。そのために、体力の向上に従って、負荷も徐々に(漸進的に)上げていく必要があります。
C個別性の原則
体力には個人差があるので、個人の年齢・性別・体力水準などに応じて負荷を決めることが大切です。
D反復性の原則
トレーニングの効果を得るには、繰り返し行う必要があります。

 

 

■トレーニング処方とは

 

 

実際にトレーニングを処方する場合にも原則があり、強度、時間、頻度を考えることが重要ですが、選手の置かれている背景を考慮することがより良い処方が出来上がります。やみくもに練習を増やしても効果は上がりません。

 

 

この原則は当たり前のことに感じるものもあると思いますが、これを体力のことだけでなく技術や戦術にも当てはめてください。

 

 

すべての競技スポーツトでは、レーニングの前後にウォーミングアップとクーリングダウンを行います。スポーツ指導者は基本的な目的と理由を理解して下さい。

 

 

■ウォーミングアップとクーリングダウンの必要性とは

 

 

ウォーミングアップの目的
・試合や練習でベストパフォーマンスを行うための体の準備をする
・怪我を予防する ?

 

 

ウォーミングアップを行う理由
生理的効果
・筋温を上げることで筋が収縮しやすくなり力がでやすい
 関節可動域を広げ怪我の予防に繋げる
・心拍数を上げることで呼吸循環器系の準備を整えて全力でスタートできる
 神経系を興奮させ反応速度を高める
心理的効果
・自分のコンディションを事前に確認できる
・日常生活から練習や試合に向けて気持ちを切り替える

 

 

クーリングダウンの目的
・疲労回復の促進させる
・心身の緊張緩和をはかる

 

 

クーリングダウンを行う理由
生理的効果
・骨格筋に集まった血液を体内に再分配して元の状態に近づける
・乳酸をエネルギーに変換しやすくして疲労回復を促す
心理的効果
・徐々に運動強度を下げることによる心身の緊張緩和をはかる

 

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