世界の舞台を目指すアスリートの発掘・育成の重要性と指導者の役割の知識

 

 

指導者を目指す人には聞いたことのない事が多く、難しく感じることもありますが、将来のために学びます。トップアスリートの発掘・育成の重要性、トップアスリートの存在意義を中心に理解していきます。

 

 

■トップアスリートを育てる意味とは

 

 

トップアスリートを育てることが社会的になぜ必要なのかを分からなければ、発掘や重要性の意味が浅薄になってしまいます。2009年のオリンピック・コングレスという会議の中で、スポーツは「平和、文化、教育を推進する手段」として、さらにスポーツは「世界を良い方向へ導く推進力」になると明記されました。

 

 

つまり、スポーツの与える影響力で、グローバル(世界的な)な課題である環境の保護やエイズ問題などの見識を広め、国や宗教を越えた結びつきを推進するなど、すべては世界平和に貢献しようとする取り組みです。その中心的な存在になるロールモデル(手本となる人)トップアスリートになります。

 

 

また、トップアスリートには国内においても夢と感動を与え、国民の活力を生み出します。スポーツを広めることで経済効果や国民の健康にも貢献しています。さらに、トップアスリートの活躍により国際的な地位の向上にも役立ちます。このような理由でトップアスリートを発掘・育成していくことが重要なのです。

 

 

■トップアスリートの発掘と育成指導とは

 

 

はじめて聞く言葉で「偶発性の最小限化」が出てきますが、この意味はトップアスリートになる才能を持っているがその才能に気づいていない選手を発掘して育てるということです。偶然に才能が開花するのを待つのではなく、見逃さないという考え方です。

 

 

現在、世界の国々ではメダル獲得のためにタレント発掘・育成プログラム(以下TID)を推し進めています。多くの候補者の中から才能の識別を行い、競技経験のあるなしにかかわらずいくつかのテストで判別していきます。

 

 

TIDで育成されたアスリートは短期間でトップアスリートに成長するケースが多く見受けれらます。それは国が進めるプロジェクトには公費(税金)が使われていて費用対効果が求められているからです。その結果アスリートには短期間で最大の効果が出るように、「クローズドスキル型」で人口の少ない女子競技が選ばれています。日本でも2004年の福岡タレント発掘事業(TID)がスタートして、現在(2013年)は12地域まで広がっています。

 

 

指導の実践としては、アスリートの高い資質を見つけだし育て上げるコーチが重要になります。トップ選手がトップコーチではないと言われるように、選手に影響力を与えるコーチには情熱と勉強と経験が重要になります。

 

 

トップアスリートになるには、高い技術・体力・精神力を持っていることが前提ですが、成功した選手たちに共通するのは高い「知的能力」を持っていることです。トップアスリートのインタビューを聞いていると、素晴らしい受け答えが出来ています。客観的に周りの状況を掴んで話せるコミュニケーション能力などは「人間力」=「知的能力」が高いといえます。

 

 

スポーツ教育プログラムでは、この「知的能力」を取り入れる試みがされています。これまでの一貫指導システムに加えて、競技レベルが上がるにつれての心構えや態度、立場なども変わっていくことをプログラムの中に入れています。公的な立場の代表がオリンピック選手と捉えてください。

 

 

指導者としてやらなければならないことですが、一部の選手がトップに近づくほど自覚を促すことが難しくなることです。人間力を上げさせたいが、選手が指導者の言うことを素直に聞かなくなる事もあります。

 

 

所詮、それまでの選手として切り捨てるのは簡単ですが、指導者にも責任があります。早いうちから教育をしなければなりません。思春期のころには、心構えや態度も含めた倫理的な指導が重要です。
実際に、プロ野球やバトミントンでも問題が起こっています。

 

 

ユースオリンピックでは、若いこれからのトップになるだろうアスリートに対して世界の問題の見識を深めさせ、近い将来世界に影響を持つであろう選手たちに、スポーツを通じて世界を平和へと導く先導者の役割を担ってくれるよう期待しています。その為の「文化・教育プログラム」を用意し、大会終了後も閉会式までの間は、選手村で様々なイベントに参加させています。

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