■シングルスの戦術の知識
1、始まりの局面でのセオリー
始まりの局面つまりサーブとリターンの局面でポイントが決まる割合が全ポイントの約30%であり、そのほとんどがリターンミスということを理解することが必要です。
サーブのセオリーは相手のリターンミスを引き出すことであり、それに対してリターンの局面ではまず、安定して返すことが第一のセオリーになります。
具体的にはサーブ後の次の打球、つまりラリー3球目の打球で攻撃を仕掛けられるような展開につなげることがサーバーには必要で、逆に、レシーバーはラリー3球目で攻撃させないようなリターンが求められるということです。
2、ベースラインの局面でのセオリー
@クロスコートラリー
クロス方向にボール配給することは、ネットの中央の低い所を通過するのでネットしにくいこと、距離が長いのでアウトしにくいこと、さらに合理的待機位置に近くポジショニングがしやすいなどの理由から、ミスを犯す確率が低く安全にラリーを展開できます。
Aセンターセオリー
ラリーの局面で最もミスを犯しにくい配球はセンターへの配球であるといえます。ネットの中央が最も低くネットミスをする危険性は低く、センターを狙うことによりサイドアウトの危険性も低くなります。相手にとっては次の返球で角度がつけにくくなり、展開がしにくい状況となります。
また、相手のショットによってコートの外に追い出されてしまった場合、クロス方向だけでなくセンターも一つの選択肢になります。ダブルスだけでなくシングルでもセンターセオリーが存在します。
Bダウン・ザ・ラインへの配球
クロスコートラリーの展開から、ラリーの主導権を握っている状況でダウン・ザ・ラインへと配球することがシングルスにおける基本的なセオリーの1つです。時間的に追い込めるので相手の甘い返球を期待できるというメリットがあります。ネットが高く距離も短いというデメリットも考慮して配球することが必要です。
しかし、安易にダウン・ザ・ライン配球することは、次の合理的待機位置への距離が遠いためポジショニングが遅れることになります。それにより空間的オープンコートを作り出すことになるため、十分注意する必要があります。
3、攻撃の局面と守備の局面でのセオリー
攻撃の局面を作り出すためには、自身の打球により相手の返球体勢を崩す、相手のポジションをコート後方に追いやる、相手コートの外に追い出すなどの前段階が必要になります。できるだけ早いタイミングで時間的オープンコートを狙うことです。
また守備の局面での配球は、次の合理的待機位置をとりやすくするために、クロス方向もしくはセンターを用い、相手から連続的に攻撃されないようなボールコントロールをすることが求められます。
参考資料:テニス指導教本T