テニス科学の知識と知恵
■テニスの科学の知識
テニスの科学とは、さまざまな角度から科学的に研究する学問の総称として用いられます。
身体の見えない分野:「スポーツ生理学」「スポーツ栄養学」「スポーツ医学(内科)」など
身体の見える分野:「バイオメカニクス」「体力トレーニング学」「スポーツ運動学」など
心の分野:「スポーツ心理学」「スポーツ教育学」「コーチング学」「スポーツ哲学」など
環境分野:「スポーツ社会学」「スポーツマネジメント」「スポーツ人類学」など
このような分野に分けていますが重なる学問部分もあります。
テニス指導者に限らずすべてのスポーツ指導者は、技術指導において科学的な根拠に基づいた指導を意識することを求められています。
●科学的根拠に裏付けされた指導が可能になります。
●効率的なオンコートとオフコートでのトレーニング指導が可能となります。
●選手のパフォーマンス向上のみならず、疲労によるケガを予防します。
●ジュニア育成における成長期に合わせた適切なトレーニングの実施が可能となります。
●中高齢者に向けた健康増進としてのテニスの効果が理解できます。
以上のように様々な指導場面でテニスの科学が活用可能です。
参考資料: テニス指導教本T
■テニスの科学の知恵
テニスコーチ、スポーツ指導者はテニスの科学を勉強することで自分の指導の裏付けを得ることができます。これまでに指導してきた内容やアドバイスが、現段階の科学で正しいことが証明できます。
例えば、筋肉を増やし、筋力アップをさせたい場合は、なぜそのトレーニングメニューを何回、何セットやればいいのか、何をいつ食べればいいのか、なぜそれを取らなければいけないのかなど、「トレーニング科学」「スポーツ栄養学」「スポーツ生理学」の知識を集めなければ、効率のいい練習メニューを組むことができないのです。
テニスでも、ボールがうまく打てない人の原因としては「バイオメカニクス」の運動連鎖がうまく出来ていないのか「スポーツ心理学」のメンタルコントロールが出来ていないのか「スポーツビジョン」の深視力が弱いのかなど、様々な分野から原因を探り、修正や矯正法を考えていきます。
テニスコーチやスポーツ指導者は選手を成長させるためには、良く観察し、原因を見つけ、解決方法をいろいろな学問を学ぶだけでなく、各学問をネットワーク化させ総合的な見方をしていく考え方が必要なのです。