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理解する構造

 

コーチングの技術は何を使っても構いません。なぜなら、全て必要だからです。管理型→発見型、命令型→協力型、ティーチング型→コーチング型、強制型→放任型、段階的指導法、短所是正法、長所伸展法、課題徹底追及法などありますが、指導対象者により選択して使います。

 

 

テニスのコーチはテニスを教えるのが仕事です。どうすれば分かりやすく伝わるか、どうすれば理解してくれるのか、どうすれば覚えてくれるのかなど、勉強して工夫を凝らしながら指導していく姿勢が大事です。これらの指導法を使い幅広い指導を心がけてください。

 

 

ここまでは形の話で、ここからが本題です。例えば、テレビで「フライパンボレー」をやっているのを見たことがありますか?ボレーが簡単に出来るようになりました。この練習方法を真似してもいいのですが、元の考え方が分かれば自分の中から新しいアイデアが湧いてきます。

 

 

これには、人間の「理解する構造」を知る必要があります。

 

 

実際の行動:興味を持つ→話を聴く→見る→やる→修正→やる

 

 

フライパンというテニスコートでは使わないものを使うことで興味をそそります。すると、どうやって使うのか聞きたくなります。デモンストレーションで視覚から刺激されます。実際にやってみると、ラケットでは味わえない感覚の当たりを体験します。これにより、今までのボレーの感覚(刺激)とは違う刺激を筋肉が受けることで脳も刺激を受けるのです。脳が刺激を受けると身体(筋肉)は反応しやすいのでボレーが簡単に出来たのです。

 

 

つまり、フライパンボレーは脳を活性化させる一つの方法なのです。このように脳に刺激を与えるアイデアを出して実践して下さい。いつもどうすれば分かってもらえるかを考えることがコーチの勉強になります。

 

 

■左脳から右脳へ、顕在意識から潜在意識へ落とし込んではじめて理解になる。

 

 

これは脳の話ですが、今受けた刺激でボレーは出来るようになりますが、この程度の刺激では長続きはしないのです。手から脳までの刺激は数分で忘れてしまうのです。そこで、フライパンボレーから、ノーマルなボレーにして感覚をすり合わせ、それが無意識でできるまで練習することが(反復練習の重要性)本当の理解になるのです。

 

 

無意識で出来るまでには、人間は理解する速さや受け取り方が違ったり、情報を整理、記憶する方法が違ったりします。このことを知れば人には個人差があると分かります。オンコートでは、コーチ、指導者は相手の状況やプレーを見て、落とし込むまでの時間や回数などを考えて行きます。

 

 

特にジュニアの指導に関しては、決して慌てないでください。発育発達度合いも考慮して指導をする必要があります。ジュニア達は脳のネットワークが広がっている途中で、全員が均等に発達するわけではありません。物事を吸収する年齢やタイミングは個人差があるということを理解しておくことが重要です。


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