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ゲームの基本構造(初級)

 

サーブ、レシーブ、ラリー、ボレースマッシュが一通り打てれば試合はできます。ところが試合の経験が少ないとボールは打てるが「試合にならない選手」がいます。そのような選手にコーチはどのようなアドバイスをすればいいのでしょうか?

 

 

まず、選手にテニスゲームの基本的なポイントとゲームの構成を理解させます。ITFの4大大会データーから1ゲームは男子平均6.3ポイント、女子平均6.6ポイント、1セットは男子平均10ゲーム、女子平均9ゲームです。ちなみに専門学校の学生で全国大会30試合の平均をとってもほぼ同じ数字でした。

 

 

つまり、試合は平均1セット6-4か6-3で、総ポイント数は60〜65であることが分かります。これを基準に試合のポイント構成を分析し、どのようなプランを立てれば、勝てる試合が増えるかを考えます。

 

 

データーから分かるのは、1ゲームの平均は6〜7ポイントで、これはどちらかが4ポイント取る間に2ポイントは落としているということです。すなわち1ゲーム取る間には、相手にエースを取られたり、自分がミスをしたりする2ポイントの余裕があります。この余裕を使わない選手は自分にプレッシャーをかけてしまいます。

 

 

次にゲームでのポイントの取り方です。これには「自分が決める」・「相手にミスをさせる」の2つがあります。理想としては4ポイント全部自分が決めればいいのですが、相手が同じレベルであればこれには無理があります。同じレベルでのポイントの基本構造は2ポイント自分が決めて、2ポイント相手にミスをさせるから始めます。

 

 

しかし、テニスは相手があるスポーツですので、相手のレベル、タイプによってポイントの基本構造は変わってきます。例えば攻撃的な相手の場合には「相手にミスをさせるポイント」が多くなるようにします。守備的な相手には「自分が決めるポイント」が多くなるようなプレーをします。このように相手のプレースタイルによっては基本構造を見直す必要があります。

 

 

そして最後に「自分がミスをしない」が重要です。以前は戦術として、この「ミスをしない」を使ってロブだけで相手のミスを待って勝つ選手も多くいましたが、ラケット性能が良くなりトップスピンがかけやすく、ボールのスピードも上がったためにミス待ちだけでは勝てなくなりました。

 

 

これから「自分がミスをしない」が重要なのは、例えば1セットマッチ、スコアが6-3の場合平均60ポイント、勝者33ポイント、敗者27ポイントの場合は6ポイントしか差がありません。

 

 

これは、サービスとレシーブのミスを無くせば6ポイントの差はすぐに縮まるということなのです。ジュニアのマッチ練習では、ダブルフォールトとレシーブミスをコーチから必ずチェックされます。その意味がここにあります。

 

 


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