■テニスの運動生理学の知恵
運動生理学はテニスコーチに身体の「なぜ」の答えを与えてくれます。生理学といえば、最初にアデノシン三リン酸など聞きなれない言葉で拒絶反応をおこしたりしました。しかし、何度も読んだりレポートに書く回数が増えるたびにテニスに必要なエネルギーの供給システムだと分かりました。
エネルギーの供給システムとは、すぐに激しい力を出したいとき、強い力をある程度継続して出したいとき、ゆっくり長く力を出したいときなど、条件により変わってきます。
テニスコーチに必要な力はこれをテニスにどのように活かしていくかということです。例えばエネルギー供給システムを理解すると、テニスに必要なトレーニングが分かってきます。素早くハイパワーを出すには、どの供給システムを使えるように鍛えるのか?
ハイパワーの無酸素系の供給だけでは回復力に時間がかかるので、有酸素系のトレーニングで回復力を上げることが必要なことが分かります。テニスのトレーニングが無酸素系も有酸素系も含まれている理由がここにあるのです。
筋肉に関しても、速筋と遅筋をテニスに必要な割合に近づけるような中庸筋を増やすトレーニングを組んだり、テニスに合った筋収縮でのトレーニングなどにも生理学は大切なのです。
テニスにおける運動の中身はすべて生理学にあるということです。現在、行われているトレーニングの考え方はここからの情報によるものといえます。生理学に進展が見られれば、そこで内容が変わるかもしれません。
テニスコーチはいつもアンテナを張って新しい情報をキャッチしていくことと、その情報から必要なものを選択することが重要な役割の一つです。